消化器内科は食道・胃・十二指腸を範囲とする上部消化管、大腸を範囲とする下部消化管、肝臓、胆嚢・胆管、膵臓などの消化器全般を扱う科です。
 当院は、富良野市及び近隣市町村のセンター病院として、内視鏡検査及び内視鏡的治療の充実をはじめ、悪性腫瘍の治療の充実を図っていきたいと思います。 特に悪性腫瘍の治療にあたっては、当院外科のバックアップのもと、診断と治療を行っております。 当科にてスピーディーかつ最適な治療を行うことで、皆様の健康にお役に立てればと思っております。
 平成23年から消化器内視鏡医師が少ないため、日本では内視鏡検査でトップクラスの実力を持つ、横浜昭和大学北部病院 工藤進英 内視鏡センター長のご配慮で医局員を派遣していただいております。
 苦痛の少ない検査をご提供しております。 送気も管内ではいち早く二酸化炭素を全症例に使用しております。
  1. 上部消化管領域
     EGD(上部内視鏡検査)につきまして、検査を楽に受けられるように、ご希望の方には経鼻内視鏡の導入や鎮静剤を使用しております。 治療として、胃ポリープ切除(EMR(内視鏡的粘膜切除術)を含む)、さらには、早期胃癌に関して(内視鏡センターの項目参照)ESD(早期胃癌内視鏡的粘膜下層剥離術)を導入しております。 また、進行胃癌に関しては、当院外科と蜜に連絡を取り、術前の精密検査を行っております。

  2. 下部内視鏡領域
     TCS(下部内視鏡検査)にて診断を行います。 内視鏡的に切除可能なポリープが発見された場合は大腸ポリペクトミー(EMR(内視鏡的粘膜切除術)を含む)を行っております。 また、進行大腸癌に関しては、当院外科と蜜に連絡を取り、術前の精密検査を行っております。

  3. 胆・膵臓領域
     採血、腹部エコー検査や腹部CTや腹部MRI(MRCP)などでスクリーニングを行いますが、さらに精密な検査としてはEUS(超音波内視鏡)やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵菅造影)を行い的確な診断をいたします。 総胆管結石に関してはEST(内視鏡的乳頭切開術)EPD(内視鏡的乳頭拡張術)等を行い内視鏡的に治療しております。
     切除不能膵臓癌や胆管癌に対しましては、胆管にプラスティックの管を挿入するEBD(内視鏡的胆道ドレナージ)や金属製のステントを胆管に挿入するEMS(内視鏡的メタリックステント挿入術)を行っております。 また、内視鏡的に胆管にステントを挿入できない場合、PTBD(経皮経肝胆道ドレナージ)を行っております。
     急性胆嚢炎の治療では当院外科との連携のもとPTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)を選択しますが、状況に応じてはERGBD(内視鏡的胆嚢ドレナージ)を行っております。

  4. 肝臓領域
     特にB・C型慢性肝炎については肝臓癌の危険因子であるため、定期的に腹部造影CT検査や造影腹部エコー検査を行い、早期の肝癌の発見に努めております。 小さな肝癌であればPEIT(経皮的エタノール注入療法)やRFA(ラジオ波凝固療法)を当院で導入し加療しております。
     平成22年1月、肝疾患に関する専門医療機関の指定を受け診断治療を行っています。
 平成26年4月より、消化器内科外来を毎日、午前中行っております。 また、市内及び近郊よりの紹介患者様も多く、紹介状をお持ちでない当院初診の患者様には、外来診察をお待たせする場合がありますことに関しまして、皆様のご理解の程何卒よろしくお願い申し上げます。
 ただし、吐血・下血・血便・黄疸などの重症患者や腹痛が強い方の場合はこの限りではございません。



 食道癌・胃癌・大腸癌の治療は変わってきました。 近年手技と機械の著しい進歩により、特にITナイフ、フレックスナイフ、フックナイフなどの処置具の登場は内視鏡治療に革命をもたらしました。 以前は食道癌・胃癌・大腸癌の治療は全てお腹を大きく切開して癌を切除する手術(開腹手術)でした。
 しかし、早期(食道・胃・大腸)癌では、お腹を切らずに内視鏡カメラにより切除するESD(内視鏡的粘膜下層切開剥離術)で治せるようになりました。 ESDは病変の周囲の粘膜を切開した後、粘膜下層を剥離し病変を切除する方法で病変を一括切除できる確実な内視鏡治療です。
(1)切除の適応
 早期癌(食道癌・胃癌・大腸癌)は治療せずに放置すれば死に至る疾患です。 ESDの適応となるのはリンパ節転移を認めず、潰瘍を伴わない粘膜内癌(ただし、組織学的に高分化型、中分化型、乳頭状腺癌に限る)です。 この条件を満たせば大きさは問いません。 癌が深く浸潤している場合や未分化型癌の場合は外科的切除になります。

(2)切除方法
 病変の周囲に目印をつけます()。



 切除する範囲が広いため、粘膜下層に薬剤(粘稠度の高い薬剤:ヒアルロン酸ナトリウム)を注入し、膨隆させます()。
従来は生理食塩水を使用していましたが、ヒアルロン酸ナトリウムは分子量が大きく高い粘性のため長時間粘膜隆起が持続すること、物理的な圧迫止血になるため出血が少ないという特徴を持つため、これを使用しています。



 内視鏡の鉗子口からフレックスナイフを挿入し、高周波電流を使用しマーキングのさらに外側を切開します()。



 粘膜下層を剥離し切開終了となります()。 切除終了後は切除面に出血がないかどうか確認します。 血管を認めたら止血鉗子で処置し、術後の出血予防をします。 終了後は止血剤を散布します()。 剥離の際、病変が大きい場合や線維化を認める場合は状況に応じてITナイフやフックナイフを併用することもあります。
 治療時間は病変の大きさ、占居部位によって異なりますが、2時間〜5時間です。 手術ではありませんが、普通のカメラより時間を要しますので、十分な鎮静の元で行います。(ほとんどの方は施行時のことは覚えていないぐらいです)





 大腸内視鏡検査では、大腸の中を観察しやすくするために、空気を送り込みながら検査することがあります。 この送り込んだ空気により、検査中また検査後におなかが張って痛みを感じたり、検査後にオナラをしたくなったりすることがあります。
 当院では、内視鏡用炭酸ガス送気装置を導入し、検査中に送り込む空気を炭酸ガス(二酸化炭素)に変えて検査を行っています。
■■■ 炭酸ガスの特性 ■■■
■液体に溶けやすい性質を持つ。
⇒人体では血液に吸収されやすいということ。(大腸からの吸収では空気の150倍、窒素の35倍といわれている)
■■■ 炭酸ガスの特性 ■■■
■大腸内のガスが速やかに血管に吸収されるため、おなかが張りにくい。(痛み、不快感の軽減)
⇒従来の空気だと大腸内に空気がずっと残り、おなかが張って痛みを伴うことがある。(オナラをすると楽になる)



■■■ PillCam® SB カプセル内視鏡検査について ■■■
 世界で初めて開発・実用化された小腸用のカプセル内視鏡です。 70カ国以上で100万人以上の患者様への検査実績があります。
大きさは、大きめのビタミン剤とほぼ同じサイズです。
口から飲み込んだカプセルが消化管内を通過しながら、十二指腸、空腸、回腸からなる小腸全体(約6m)を撮像し、画像を記録装置に転送します。
この画像をもとに小腸の診断が行われます。
■■■ カプセル内視鏡検査の流れとは ■■■

【検査前日】
・検査食を食べて貰います。 その後の飲食はお控え下さい。
・喫煙はカプセルを飲む24時間前からおやめ下さい。

【検査当日】
・アンテナを腹部に貼付し、記録装置をベルトで腰に付けます。


・カプセル内視鏡を適量の水で飲み込みます。 その後は職場に、ご家庭にお戻りいただけます。

カプセルは、患者様の消化管内を蠕動運動により移動しながら、1秒間に2コマずつ腸内を撮像します。 8時間かけて約55,000枚の静止画像を撮り続けます。


・おおよそ8時間後にカプセル内視鏡検査が終了します。 病院に戻り、アンテナと記録装置を返却していただきます。

・カプセルは排便時に、体外に排出されます。




氏 名 西川 浩司
職 位 主任部長、内視鏡センター長
所属学会 日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本温泉気候物理医学会
専門領域 消化器系一般






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